物事の始まり

「物事のはじまりは、いつでも瓦礫の中にあります。やめたこと、やめざるをえなかったこと、やめなければならなかったこと、わすれてしまったことの、そのあとに、それでもそこに、なおのこるもののなかに」

ー長田弘さんのエッセイ集「すべてきみに宛てた手紙」よりー

何かを始めるということは

それと時を同じくして

何かをやめるということ

何かをやめて

何かを始めて

またその始めた何かをやめて…

堆く積もった瓦礫の中で

それでもまだ掌に残るもの

それは確かに自分を自分たらしめる何かだろう

だから

これからは

その確かな何かを携えて生きていこうと思う

この場所もいつか瓦礫になるでしょう

でもそれでいい

瓦礫さえも

自分の生きた証なのだから