その日が来るまで

たくあん作りをやろうと決め

大根を吊るしたあの日から

2週間が過ぎた

徐々に水分が抜け

大根は

良い歳の重ね方をした老人のような姿になった

僕はただひたすらに待っている

その日が来るのを

思えば大人になってから

「待つ」という経験は徐々に失われていった気がする

子供の頃はいろいろな楽しみがあった

たとえば夏休みに

誰かとどこかへ遊びにいく

そんな計画を立ててから

くる日も来る日もその日を待ちわびて

毎日がすごく楽しかった

しかし歳を重ねるにつれ

否応なしに人の心は大人になっていく

おおよその物事は経験済みになり

また大人になれば時間の経過をお金で解決できてしまったりもする

あらかたのことはすぐに実現できるようになり

そうした日々の積み重なりはやがて

待つという営みは

遠い昔のものにして待っていたのかもしれない

そんな遠い記憶を呼び起こしてくれたのは

自然という営みだった

僕は今たくあんができるまでの日々を

ただただ待っている

久しぶりに

この感覚を味わっている

たくあんが完成するその日が

今から楽しみでしょうがないのだ